「Kちゃんにも貸して!」
うちの子供は、大人が持っている機械製品に興味を持ち、すぐに触りたがります。
スマホ、電卓、DVDプレーヤー、ビデオカメラ等。
「少しだけだよ」と私が言って貸すと、なかなか返してくれない。
おまけにいじっている最中に、落としたりする時には、「ひぇ〜‼︎」と私が叫ぶはめになる。
ある日、私のデジタルカメラに白っぽい光が入るようになってしまいました。
かなり昔に購入したものなので、『まぁ、そろそろ壊れても仕方がない時期だしね』と諦めて捨てようと思ったのです。
とりあえず、テーブルの端に置いておいたら子供が、
「これ、どうやるの?」と聞いてきたので、子供の方を見ると、例のデジタルカメラをいじっていたのです。
「Kちゃん、それ、もう捨てちゃうんだけど、欲しい?」と私が聞くと、
「えっ!いいの!欲しい、欲しい」と子供。
どうせ捨てるものだったし、子供がいじる事で、完全に動かなくなってもいいや、という気持ちで、そのデジタルカメラを子供にあげたのです。
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ファインダーから見る景色は、子供の好奇心をくすぐる
デジタルカメラを手にしてから、子供は、部屋のあちらこちらに置いてある物を片っ端から被写体にしてパチッパチッと写していました。
やがて家の中では飽き足らず、近くの公園に遊びに行く時も、デジタルカメラを持っていき、外の景色をパチッパチッと撮っていたのです。
ある時、子供が絵を描いていました。
当時、まだ3歳であったうちの子供は、人の顔らしいものを描くのがやっとというレベルでした。
ところが、その時に描いている絵をみたら、小さい人間と、大きな人間っぽいのを描いているので、
「この大きい人は、だ〜れ?」と私が聞くと、子供は、「Kちゃんだよ」と答えたのですが、「じゃ、この小さい人は、だ〜れ?」と聞くと、子供は、「パパだよ」と答えたのです。
「パパ?」と私は、確かにパパは、お友達のパパより小柄だけど、何で子供より小さいのだろうと思いました。
「パパは、Kちゃんより小さいの?」と子供に聞くと、「うん、そうだよ」と答えてきました。
「パパはね。遠くにいるんだ」とうちの子供。
「確かに遠くにいる人って小さく見えるよね。よく知ってるね」と私は驚いて言いました。
「デジタルカメラで見ると、小さいんだよ」と子供が言うのです。
『すっ、凄い。。。』他のお子さんより、うちの子供は、成長が遅いように感じていただけに、4歳にして、その気付き親バカかもしれませんが、凄いと思いました。
その事があってから、久しぶりに元自分のデジタルカメラでファインダー越しに景色を写してみたのです。
『なるほど…』
自分のデジタルカメラだった時に、散々色々な物を写していましたが気付きませんでした。
確かに、遠くの人は、小さく写っています。
いわゆる『遠近法』に気付いたのです。
何気なく風景を眺めていても、おそらく、そういう事には気づかなかったのではないかと思います。
デジタルカメラでファインダーという定められたスペースに、被写体を収めようと、調整しながら見ているうちに、そういう事に気付いたのではないかと思うのです。
幼児が日常的に使わないようなものを子供に与えると、思わぬ効果を生む事があります。
うちの場合は、『デジタルカメラ』でしたが、この事をきっかけに、他のもの(DVDプレーヤーやビデオカメラ等の機械製品)も、もう少し貸してあげるように努めようと思っています。