とうとう来たか、カブトムシを飼う時が。。。
毎年、夏になると、保育園で上のクラスのお兄ちゃん達が、透明のケースに入ったカブトムシを持ってくる光景を目にしていました。
その子供達のお母さん方からも、「いずれは飼う事になるわよ」なんて、言われていました。
私は、虫が苦手なのです。
「え〜、そうなんですかねぇ」
ほんとっ、他人事のように受け流していました。
うちの子供が年中さんになった夏、ついに子供自ら言い出したのです。
「ママ〜、カブトムシ飼いたい!」と。
そう言い出したのは、いつも行くスーパーの中でした。
いつもなら、金魚の餌などが置かれている売り場に、カブトムシが、つがいで販売されていたのです。
子供は、一目見るなり、飼いたいとねだってきたのです。
「カブトムシ?え〜、だって、高いんでしょう?」
とよく見ると、1パック(つがい2匹入り)で200円。
安い!
つまり、一匹あたり100円か。。。
「いやいやいや、だって、Kちゃん、お世話出来ないでしょ?」
これまでも、おもちゃ等をねだる時も、いつもこんな感じで、欲しい欲しいと売り場で大きな声でせがむのです。
そして、手に入れてしまうと、見向きもしなくなる。
きっと、カブトムシも同じ運命になる。。。これは、阻止しなければ。
「ねぇってばぁ、カブトムシ!ほしい!」と、うちの子供。
「パパに聞かないと、わからないな…」と、私。
そう受け流すはずだった。
そんな時に、タイミング悪く、パパが来た。
「パパ!Kちゃん.カブトムシほしい!」とパパにすり寄るうちの子供。
私は、目配せして、『上手くあしらって』とサインを送った。
が、あっさり「カブトムシかぁ、いいなぁ、飼ってみるか」とパパ。
おい、おい!うちの子供が世話出来ると思って言っているのか…
ちょっとした痴話喧嘩になった。
その後、パパは、
「Kちゃん、カブトムシ、お世話出来る?」
「パパがやってよ〜!」とうちの子供。
この態度には、パパも考えが変わった様子だった。
「やめよう!さぁ、帰るぞ!」と、パパがエレベーターへ向かおうとした時、
「お世話する!お世話する!カブトムシ、ほしい〜。買ってよ〜。お世話する〜。」と泣きじゃくり始めたのです。
この姿に、パパも私もおれて、カブトムシを飼う事にしたのです。
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名前を付ける事で、お世話するやる気をおこす
「カブトムシに名前つけてあげたら?」と私が提案すると、うちの子供は、すぐに、
「オスがかぶ君で、メスがたこみちゃん」と名前を付けました。
その日から、夜中がちょっぴり賑やかになりました。
夜中、12時ぐらいになると、小さなケースの中で、2匹のカブトムシがガサゴソ、ガサゴソ。
特にメスが、狭いケースの中を飛び回るようで、バサバサバサという音が毎晩するようになりました。
その音で度々、私だけ目が覚める事がありました。
そんなカブトムシですが、うちの子供は、思いの外、ちゃんと餌をあげて世話をしてくれていました。
といっても、樹液ゼリーをあげるだけですが。
「かぶ君、元気かな〜?、たこみちゃん、いるかな〜?」と保育園から帰ると、ケースの中をよく覗き込んでいました。
そんなうちの子供の様子を見て、カブトムシを飼って良かったな、と思いました。
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触れる事で観察力アップ
ところがある日、「ママ〜、見て見て〜!」と子供に声を掛けられて、振り返ると、子供の胸元に一匹のカブトムシ、頭の上に一匹のカブトムシ。
思わず「ギャ〜‼︎」と叫んでしまいました。
「ママ、こわいの?」と笑いながら言ううちの子供。
カブトムシを可愛いがってくれるのは、嬉しいのですが、間近でまともに見ると…
私には、特に角を持たないメスは、ゴキブリにしか見えなかったのです。
うちの子供は、私が怖がってもなんのその、毎日のように、カブトムシをケースから出して、遊んでいました。
いつからか、「カブトムシは、高いところが好きなんだよ。高いところにのぼっていくと、飛ぼうとするんだよ」等、カブトムシの事について、色々と私に教えてくれるようになりました。
あぁ、本当に飼って良かったと思えた瞬間でした。
なんといっても、カブトムシと触れ合うようになって、良く観察するようになりました。
それは、カブトムシだけにとどまらず、病院の待合室にある水槽の中にいる熱帯魚を見る時も、魚の口、尾びれの色や背びれの形等、とても細かに観察するようになったのです
夏も終わりに近づく頃、メスのカブトムシが、しんでしまいました。
「たこみちゃんのお墓、つくってあげたら?」と提案し、パパとうちの子供は、近くの空き地に埋めてきてあげたようです。
それまで、私の父のお墓参りをしても、
「どうして、おじいちゃんに会えないの?」と、度々聞かれる事がありました。
カブトムシのメスがしんでしまってからは、そのような事は、聞いてくる事はなくなりました。
生き物を通して、生命の尊さを学んでいってくれればいいな、と思います。
そういう意味でも、カブトムシを飼って良かったと思います。
やがてオスもしんでしまいました。
なんか、せつない気持ちになりました。
あのバサバサバサ、の音もなんだか愛しいです。
また、夏が来て、カブトムシを飼いたいと言ったら、喧嘩はせずに、すんなり買ってあげるつもりです。
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